海運業界・船のことを知りたい人向けに、浅く広く船の『いかり』についてご紹介します。
目次
1.碇の歴史
2.碇の色々
3.錨の事故例まとめ
1.碇の歴史
錨(いかり)とは、船を一定の場所に留めるおもり。綱や鎖をつけて水底に落として使用する水具のことです。
『錨自体の重さ』と『海底面との引っかかり(抵抗)』によって船の移動を制止しており、爪などが水底に刺さることで抵抗力を生むものをアンカー、それ自身の重さによって抵抗力を生むものをシンカーと呼びます。
<錨の歴史> 紀元前2500~2000年 現在確認されている中では最も古い錨は、石にロープをくくりつけただけの原始的な作
りだった。
紀元前1100~300年 2つ穴と上部の穴が直交するような石錨が現れ、木製の爪だけでなくストックも現れ始め
る(現在使用されているストックアンカーの原型)
紀元前700~紀元後1300 木錨が登場。棒状に加工した石を木の本体で挟み、ロープで縛り付けたものと思われる。
爪の先端に鉄などの金属を使用しているものもある。
紀元前500~紀元後500 石だった部分が鉛などの金属に置き換えられた木錨が登場。
6世紀~ 鉄の錨が登場。
20世紀 汽船の広まりと共に、様々な形の錨が開発され、現在の形状に至る。
2.碇の色々
①錨についての豆知識・トリビア ・錨の重さ :小型船舶は数キロ。大型船舶は数トン~数十トン ・錨の長さ :数百メートル。大きいものは東京タワー(333m)より長い ・錨の回収 :チェーンと船体が擦れて火花が出るので、海水をかけながら回収する。
・錨の規則 錨と錨鎖は船の載貨重量と船種によって決まる「艤装数」に基づいて、各船備えるべき
ものが規定されている。規定は日本では国土交通省の「船舶設備規程」と日本海事協会
の「鋼船規則」がある。
②日本の錨メーカー 海上自衛隊や旧国鉄では錨の開発を行っていたが、国鉄の民営化などで開発中断されたものも多い。現在は、日本各所の商船学校・大学などで研究が行われており、中村技研工業や清本鐵工株式会社が錨の製造を行っている。
③他業界で引用される、『アンカー(錨)』という言葉 ・リレーやレースの最終競技者 ・サッカーの守備的ミッドフィルダー ・ラジオ番組で、番組内容を最後に整理してまとめる人 ・登山で身体をつなぎ合った最後尾の者 etc..
3.錨の事故例
錨はいわば極太・超重量(数~数十トン)の鉄のチェーンです。その為、操作を誤ると重大事故に発展しかねない。少し事故例を紹介します。
・錨を下ろす勢いがつき過ぎる ➡ 錨が切れて飛んでいく ・走錨(錨が海底に引っかからず、船が停止しない) ➡ 船が岸壁に激突 ・航行中の錨投下や投下時の速度操作ミス ➡ 船から外れた錨が海底に落下 ・錨投下/引上げ時に人が巻き込まれることがある ・製造時の不純物混入や、亀裂が入ることで錨が破損する事がある
まとめ
①錨とは
船を一定の場所に留める為のおもり。綱や鎖をつけて水底に落として使用する水具。
②錨の豆知識
錨はその用途に応じて、重さやサイズ・形状が多様だが、総じて重厚長大。
アンカー(錨)という概念は分かりやすく、その言葉が他業界でよく引用されている。
③錨の事故
錨は重く大きいことと、動く船を留めるという使用方法から、重大事故に繋がるケースも
ある。取扱いには注意が必要。
参照データ:(公財)日本海事広報協会(https://www.kaijipr.or.jp/)
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