
船乗りは、一度乗船したら長期間勤務になりやすく、長ければ数ヶ月以上戻ってきません。
そのため、冬に乗船したのに、下船したら春だったなんて話もざらです。
冬服を船内に持ちこんでいたけれど、春の時期まで着用していたらちょっと暑すぎて着ら
れないという事態になることも。
船内でプライベートと仕事が完結する職業であるため、四六時中ずっと同じ服装なのでは
と思う方も多いのではないでしょうか。
今回は、そんな船員の服装の基礎知識や衣類の着こなしについて紹介していきます。
【目次】

1)船員の服装について
乗船したら、長期間ずっと海上で生活する船員。
毎日顔を合わせるのは、船内の同僚(船員同士)だけで、たまに仮バース時の買い出しや荷役時に港の関係者と会う事となります。
では、船内ではいつも同じ服装をしているのでしょうか?
いえいえ、船内の作業に合わせた服装や、オフの時の服装は分けられており、
TPOに応じて服装が変えられています。
場面ごとにどのような服装をするのか見てみましょう。
〇乗船時
乗船時の服装は私服ならコレを着用しなければいけないという厳格な決まりは
ありません。ラフな格好で来る人もいれば、スーツで乗船する人もいます。
ただ、乗船時には港や荷主の人に会う事もあるので、あまりに奇抜な格好は
避けた方が無難でしょう。
特に初乗船の船の場合、服装で変な第一印象を持たれると損なので、
新人のうちは無難な服装を選択するのがおススメです。
〇仕事中
船員は甲板部・機関部共に船内を移動し、エンジン整備や荷役作業を行います。
機械や階段、ロープに引っかかりやすい服装は危険です。
潤滑油や潮風で服が汚れることも多々あるので、比較的作業着を着用して仕事をすることが多いです。
作業着は会社から支給されることが多いですが、長期間勤務を問題無くこなせるように夏用・冬用など分かれており、防寒着も配っているところもあります。
現在この作業着をオシャレにする会社が出てくるなど、船内の働きやすさ改革の
一環として注目されています。
靴は、基本的に安全靴を履かなければいけません。
安全靴は、普通の靴と違い足に工具や物が落下して当たってもケガをしないように、
靴の中に鉄板が入っています。身を守るための工夫ですね。
〇オフ
船内生活で、仕事以外の服装は基本的に自由です。
短パン・T シャツを着用して過ごしたり、ジャージを着ている船員もいます。
ベテラン船員に多いですが、たまに下着姿で歩き回る人もいます。
これは周りの迷惑になるので、絶対に真似してはいけません。
下着姿で歩き回っている同僚がいたら普通に気持ち悪いですよね。
いくらオフとはいえ、節度を守った服装を心がけましょう。
〇下船時
乗船したら、長期間勤務になりますが、その間まったく下船できないわけではありません。
荷役の合間や仮バースの際など、買い出しや銭湯、映画を見に行くこともあります。
どのくらい時間があるか次第ですが、食料品の買い出しだけなら、
作業着で行くこともあります。
ただ、大型商業施設やレストランなどに行く際は、私服に着替えた方が無難です。

2)船員の衣類の洗濯はどうするの?
乗船中は船内で集団生活をしているので、船員は各自で身体や服装を清潔に保たないと雑菌が繁殖したり病原菌が拡散し病気になったりする恐れがあります。
不潔な人がいたら、船内の雰囲気も悪くなりますし、不快ですよね。長期間共同生活を行うがゆえに、清潔感には気を払っていたいところです。
衣類の洗濯は、船内に洗濯機が複数設置されていることが多いので、
船員各自が時間を見計らいながら服を洗濯します。
日々の仕事で忙しいので、洗濯時間や回数を減らすために
衣類は5~7 セット位準備している船員も多いです。
ここで気を付けたいのは、洗濯機を複数の同僚で共同利用するため、
洗濯が終わっているのに衣類をそのまま放置したり、他の人の洗濯物を勝手に取り出してしまう事です。
小さなことですが、こういうところからトラブルが発生したり、周りの人の
評価が下がるので、周りの人に迷惑をかけないような洗濯機の運用を心がけましょう。

3)船員の正装とデザイン性
仕事中に着用されることは少ないかも知れませんが、船員には正装があります。
肩に腕章が付いた服装、見たことありませんか?
船員は、乗船時や自室にいる時は自由な格好でも大丈夫ですが「船員服装規程」によって、正装(腕章と階級)のサイズ・色などが決められています。
色線で船内の役職を識別でき、甲板部が色線なし、機関部が紫色などに
分かれています。
安全のため、船内では上下関係や階級が明確に設定されており、
すぐに役職を見分けたり、明確な指示系統があることを認識させる効果があります。
しかし、前述の通り、船内では動きやすさや安全性、汚れても大丈夫な服が
仕事着として普段使いされるため、正装を着用する割合はそこまで多くないでしょう。
〇正装
仕事中に着用されることは少ないかも知れませんが、船員には正装があります。
肩に腕章が付いた服装、見たことありませんか?
船員は、乗船時や自室にいる時は自由な格好でも大丈夫ですが「船員服装規程」に
よって、正装(腕章と階級)のサイズ・色などが決められています。
色線で船内の役職を識別でき、甲板部が色線なし、機関部が紫色などに
分かれています。
安全のため、船内では上下関係や階級が明確に設定されており、
すぐに役職を見分けたり、明確な指示系統があることを認識させる効果があります。
しかし、前述の通り、船内では動きやすさや安全性、汚れても大丈夫な服が
仕事着として普段使いされるため、正装を着用する割合はそこまで多くないでしょう。
〇デザイン性
船員の作業着は先人達の知恵や技術を取り入れた、機能的に優れたものとなっています。
海に落下したり水難事故に遭った場合でも、すぐに脱げる「ボートネック」や、寒い冬の季節でも
保温機能に優れるフリースの元祖「ヘリーハンセンのパイルヘンリージャケット」など、
様々な事態を想定した機能が実装されております。
■船員服装のまとめ
乗船時は、船員の服装に特に明確なルールはないので各自自由な格好で大丈夫です。
仕事は基本的に会社支給の作業着を着用して船内作業を行う事となります。
船内生活時は、自室にいる時以外は他の船員や船長などに出会うことが多いので、
プライベート時間中であっても、あまりラフすぎる服装はいけません。
洗濯機の使用はルールを守り、周りに迷惑をかけない運用を心がけましょう。
乗組員は、一度乗船したら季節をまたぐほど長期間勤務になる場合もあるので、
時期にあった洋服を持っていくと良いですよ!
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